プエルタの残したもの
2007年08月30日
セビージャMFプエルタが22歳という若さでこの世を去った。ヘタフェ戦で倒れる前にも練習試合、練習で2度同じような症状を見せていたとのことで、タラレバは禁句であるがその時に心臓の異変が見つかっていればという思いは誰の心の中にも捨てきれずにあるものだろう。
途切れることのない3万人を超える人々が夜通しプエルタの待つサンチェス・ピスフアンに集まり、最後の別れを惜しんだ。もちろん、そこにはサポーターだけでなくリーガの各クラブを代表した多くの関係者も訪れ、その中には永遠のライバルであるベティスの姿もあった。
普段はいがみ合い、罵り合い、昨シーズンのダービーではサポーターの投げたペットボトルがフアンデ・ラモスの頭に直撃し、意識を失い緊急治療室へと運び込まれる事件もあった。幸いにもセビージャ監督の命に別状は無く事なきを得たものの、悲しいの言葉では終わらせることの出来ない結果になる可能性は十分に含んでいたものだった。
ただ、この日はその両チームがプエルタの名のもとにひとつになった。犬猿のなかであるホセ・マリア・デル・ニード会長、ベティス筆頭株主マヌエル・ルイス・デ・ロペラがどちらからというわけでなくお互い歩み寄り、抱きしめあい悲しみを分かち合った。
街の中ではユニホームの色は関係なかった。多くのセビジスタ、多くのベティコ、多くのサポーターが普段のライバル関係を忘れ、プエルタへの最後のコール、別れを送っていた。
プエルタはサッカー選手としてその短い選手生命の中で多くのタイトルをセビージャにもたらしただけでなく、人生をかけたプレーで人々の心が一つになれることを証明して見せた。
今、望むのは彼のこのプレーをいつまでも忘れないこと。ライバル関係の意味を履き違え、倒れた選手を「踏みつけろ」、「おまえなんか死んじまえ」といった人道に外れるようなことが起きないこと。それが現実になった時、失ったものがどれだけ大きいのか誰もがわかったはずだ。
再びスタジアムで悲劇が起きないように
