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バルセロナ、個の限界

2007年11月14日

barcelona etoo y entrenador.JPGウチェがいたら自分達が4対0で勝っていた。

どの選手が言ったかわからないが、バルセロナの選手がヘタフェ戦後にこぼした言葉を地元紙は大きな取り扱いではないが取り上げていた。この言葉にはどのようなことが隠されているのだろうか。世界でも指折りのFWを抱えながらも機能しないチームについての苛立ちか、それともただ単にロナウジーニョ、アンリ、メッシに対する不満なのだろうか。

きっとウチェがバルセロナにいて、バルセロナの3人のFWの内一人でもヘタフェにいたら、きっとヘタフェが現実の結果よりも差のついた勝利を収めていただろう。ウチェも良い選手ではあるが彼等3人はナイジェリアFWと同等それ以上の選手であることは誰もが認めるはずだし、チームの戦い方のコンセプトが同じものであれば得てして結果は似たものになるはずだ。

では、何故バルセロナはチーム力で劣るヘタフェに完敗したのか。それは単純に個の力ではなく組織としてバルセロナを上回っていたからだ。

個の力を過信してか、バルセロナは3トップを前線に貼り付け、彼等のタレントに頼るサッカーを今季は展開している。だが、そのサッカーでは相手に数的優位を作られた場合にはいくら世界トップクラスの選手たちとはいえ、守備を崩すのは難しいもの。組織のあいまいなサッカーをしているチームにはいざ知らず、ヘタフェや、ホームカンプノウなどで対戦したアルメリアのように総合力では劣るものの組織のしっかりしたチームの張った守備の網を潜り抜けることは都会の人並みで足踏みせずに目的地に着くのと同じくらい難しいものだ。

何故、そのようなサッカーをライカールトはここまで許していたのだろうか。推測でものを言うことになるが、守備から開放し前線に張り付かせ攻撃だけに専念させることでロナウジーニョ、メッシ、アンリのパフォーマンスが一番に輝くだろうし、それを観衆が望んでいたと思っていたからではないだろうか。だが、いくらすごい攻撃力の高い大砲をそろえていても、それは放たれてこそ意味があるもので、ライバルチームはその大砲が発射される前にそれを封じる手に出てきている。

昨シーズンまでの強いバルサではロナウジーニョやメッシももちろん輝いていたが、その裏でパスを供給していたシャビ、デコ、イニエスタも同様に輝いていた。だが、今シーズンは前線と中盤に大きな差が生まれており、以前のような組織で相手守備陣を崩すパスサッカーの姿を見ることがない。FWだけの単発の攻撃でなく押したたむように中盤から圧倒していたバルサのサッカーが消えてしまっている。


前線と中盤の選手の距離が遠いこと。celebracion de barca.JPG

これが、アウェーでバルセロナが苦しんでいる原因の一つだろう。選手個人の調子も関係するだろうが、今は前線で柱のようにピッチに根を張りボールを待つ3人と中盤の距離が遠いことが一番の問題だ。たとえロナウジーニョが調子が良くても2人のDFを抜くことがどれだけ難しいかはサッカーをやっている人間であれば良く分かることだし、分からないひとなら、ビデオゲームで2人の敵を抜くのがどれだけ難しいかで分かってくれるだろうか。


中盤が顔を出すことで相手守備もその選手のケアをする必要性にせまられる。つまり、前線にもスペースや余裕が生まれてくる。そういった動きが残念ながら今のチームにはない。

ヘタフェに負けたことから、ライカールト監督も現在のサッカーでは厳しいことを認め、戦術の変更を示唆し、3トップから2トップの変更を検討しているとのこと。4-3-3、3-4-3、4-4-2と選手の配置は特に大きな問題ではないだろう。大事なことは選手たちがお互いにサポートの出来るような形をとれるかどうか、攻守ともに気持ちよくプレーが出来るかどうかだ。幸い、バルセロナには他クラブがうらやむほどの選手たちが揃っている。レアル・マドリーとのクラシコをリミットに設定されたチームがどのような反応を見せるのか。期待してみてみたい。

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