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辛勝

2008年02月02日

2月1日、コパ・デ・エスパーニャが開催され、藤田安澄の所属するモストレスは今季2勝を上げているピントと対戦し、延長戦の末4対3でなんとか準決勝進出を決めている。

順調な試合展開であった。序盤こそ緊張からかここ最近の落ち着いたプレーを見せることが出来ていなかったチームであったが、重要なゴールを決める選手、藤田が再び先制点をゲット。前半11分、ソフィーの放ったセットプレーでのミドルレンジからのシュートの軌道にいた藤田が腹で方向を変え、相手GKをあざむくことに成功。美しいゴールとはいえないものではあるが、このゴールを境にチームがリズムに乗り始めたことを考えればモストレスにとって値千金のゴールであることは間違いないし、どんな形でもゴールを決めるということは大切なものだ。

緊張が取れたことから落ち着いたプレーを見せ始め、相手陣内に攻め込むモストレス。17分には10番パトリが左サイドから意表をつきシュートを放つとボールはサイドネットに。前半はピントに2度ほどヒヤッとされる場面もあったが、モストレスが主導権を握ったまま終わった。

そして後半が始まるとすぐにモストレスは決定的なピンチを迎える。開始1分、相手選手がフリーでシュートを放つが、ここで再び藤田の腹が活躍を見せ、しっかりとブロック。この日の藤田は攻撃だけでなく守備でもチームに高い貢献を見せており、体格で勝る相手に何度も飛ばされはしたものの、決定的な仕事だけはさせずにいた。

相性の良い相手、2点差という状況はモストレスにとって心地よい追い風であった。ただその風にモストレスは後半吹き飛ばされることになる。コパ・デ・エスパーニャはモストレスにとってタイトルを目指す大事な大会であり、油断や怠慢といった言葉はもちろんないものだ。だが、どこかに既に試合が決まったという思いがチームに蔓延していたといっても過言ではない。24分、わずか1分の間に昨シーズンまでモストレスでプレーしていたナタリアに強烈なシュートと、DFのミスからフリーとなり冷静にコントロールしたシュートで2得点を謙譲してしまう。さらに、30分には左サイドのキックインのプレーから逆転ゴールを決められてしまう。


フットサルで言われているかはわからないが、サッカーでは2対0の得点差が一番危ないと言われているように、同点に追いつかれ、勢いをつけられ逆転を許してしまったモストレス。残された時間は10分。必死に攻め続けるもののピントのゴールを割ることは出来ない。藤田が放ったシュートもバーを叩くなど時計の針が進むにつれ、チームの焦りの色は大きくなり始める。

だが、勝利の女神はモストレスを見捨ててはいなかった。16分、ピントゴール前の混戦で、相手選手がベイタをたまらず倒してしまい、モストレスはPKのチャンスを得る。キッカーはペケ。普段はモレがキッカーを務めるが、この日は欠場。ペケはボールをセットし、ベンチではチームメートが手を組みゴールを祈るなか、GKの右にボールを放った。読みは当たりボールに触るGK。だが、チームメートの思いが通じたのか、わきの下を黄色の円球は通りぬけ、ゆっくりとゴールラインを割り、モストレスは同点に追いついた。

試合は3対3のまま決着がつかず延長戦へ。疲労からか思うようなプレーを見せることが出来ない両チーム。モストレスは危ない場面を作られながらも何とか守りきる。そして延長後半2分。今日、良いプレーを見せることができずにいたソフィーが魅せる。ピッチ中央でボールを受け、素早い反転でDF2人を引きつれ右サイドに流れ、中へパスへ送り、フリーの状態で待ち受けていたインマがしっかりと決め、勝ち越しに成功する。その後ピントがパワープレーを仕掛けるもモストレスはしっかりと守りきり、王者エルチェへの挑戦権を獲得した。

この日、モストレスで1番長くプレーをしていた藤田。合計で30分はピッチの中で走り回っており、疲労が気になるところだ。だが、モストレスにきた太陽が生まれる国の助っ人は「そのための準備はしてきたし、エルチェとやれることが楽しみ」と疲れを感じさせなかった。モストレスにとって事実上の決勝戦であるエルチェ戦。藤田はどのようなプレーを見せてくれるだろうか。

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