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熱戦
2008年02月03日
コパ・デ・エスパーニャ準決勝で王者エルチェと対戦した藤田安澄の所属するモストレスは2日のピント戦に引き続き、延長戦を戦い抜いたが、3対6で涙を呑んだ。
まるで映画のような試合展開だった。どちらに勝利の女神が微笑むか分からないシーソーゲーム、最後に女神が微笑をかけたのはモストレスではなく王者エルチェであった。先制点を決めたのはモストレス。結果として大量スコアとなった試合ではあるが、一瞬の隙でも見せた場合、相手にやられると言う雰囲気の漂う前半10分に、ソフィーがカウンターから右サイドを駆け上がり、DF2人をつり出しスペースを作り、フリーになったパトリにパスを送る。このプレゼントパスをパトリがしっかりと決め、モストレスのベンチは爆発した。王者エルチェも負けじと反撃に移るが、モストレスの守護神イサが、ピンチの芽を全てつみとり得点を許さない。
1点差を守りきりたいモストレス。だが、25分、皮肉にも1対1の場面を藤田が体を張り、止めたファールから失点を喫してしまう。エルチェは用意周到に準備したセットプレーから後ろへボールを落としたところに3番がはしり込み豪快なミドルを決め、試合を振り出しに戻す。勢いに乗るエルチェ。その波に飲まれてしまったモストレスはわずか2分後に試合の主導権を握る2点目をエルチェに許してしまった。
同点に追いつきたいモストレス。エルチェゴールに向かっていくものの、ボールはなかなか枠を捉えることが出来ない。例え捉えるとしても力なく相手GKの手中に簡単に押さえ込まれるなど厳しい状態へと追い込まれていく。藤田も34分にフリーでシュートを打てるチャンスがあったが、合わせることが出来ない。
前日、疲れは大丈夫だと話していた藤田ではあるが、この日、いつもの切れのあるプレーは影を潜めており、長期出場を果たしたピント戦の代償が大事な一戦で払われたことは否めなかった
あせることなくモストレスの攻撃を受け止め、カウンターからチャンスを作り出すエルチェ。モストレスは同点に追いつくためにパワープレーを開始。右に左にボールを回すものもスペースを見つけることが出来ないチーム、時計の針だけが刻々と過ぎ去り、電光掲示板が秒単位で動きだそうとした時にソフィーが同点ゴールを決める。ポルトガル人アタッカーは興奮のあまり相手GKを挑発してしまいイエローカードを受ける。そしてこのカードがモストレスを苦しい状況へと追い込む序章となってしまった。
残り1分、しっかりと守りきり、延長で勝負をかけたいモストレスだったが、いつでも点は取れると言わんばかりに再びエルチェが勝ち越し点を取ることに成功。だが、モストレスはわずか10秒後に再びパワープレーからパトリが得点を決め、試合を振り出しに戻す。そして、ソフィーがエルチェのキックオフボールを蹴り、スタートを遅らせたことで遅延行為、2枚目のイエローカードをもらい退場。チームは4人で戦うことを強いられるが、ここは攻撃を捨て守備に集中し、なんとか試合終了の笛まで持ちこたえる。
そして延長戦、数的不利のペナルティーがとけたわずか数秒後にエルチェが再度ゴールを決める。得点を決めた選手をマークしていたのは藤田だったが、上手くマークを外されスペースに走りこまれてしまう。攻めるモストレス、カウンターを狙うエルチェ、一進一退の攻防が続けられ、延長後半、2分にパトリが同点ゴールを決め、喜びに沸くモストレスであったが、肩で押し込んだシュートは審判にハンドの判定をとられ、さらにパトリに2枚目のイエローカードが提示されてしまい、得点を奪わなければいけない時間帯に再び数的不利の状態に追い込まれてしまった。守備に専念するか、それともチャンスを見て攻撃に移るか、モストレスは後者を選んだが、エルチェ守備陣の網につかまり、決定的な追加点を奪われる。そして攻撃しか残されていないモストレスはパワープレーで再び奇跡を探し出すが、一瞬のミスをつかれ、無尽のゴールへと決められてしまった。
前回の対戦ではエルチェの一方的な展開で試合にならなかった両チームの対戦。だが、今回は五分に渡り合うことが出来たのは大きな収穫だった。だが、試合後にうなだれ、涙する選手たちの姿からは失ったものの大きさが充分に見て取れるものだった。再開するリーガで再びエルチェと合間見えるとき、モストレスが今回の悔しさをばねに勝利をつかみとることを期待したい。
